PDFトリミング・余白追加・A4サイズ変換
トリミング・余白追加・A4統一・塗り足し追加
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PDFトリミング・余白追加・A4サイズ変換について
PDFのページには大きさを決める四角形が最大5つあります。必須のMediaBox(用紙全体)、画面と印刷に見える範囲のCropBox、印刷所向けのBleedBox(塗り足しを含む範囲)・TrimBox(断裁後の仕上がりサイズ)・ArtBox(意味のある内容の範囲)です。仕様上、CropBoxがなければMediaBoxと同じ、残りの3つがなければCropBoxと同じとみなされます。
PDFの「トリミング」は、ほとんどがこの四角形の数値を変える作業です。このツールは基本のトリミング(4種の枠から選択)に加え、余白の追加、A4・レターに合わせる、塗り足しの追加をタブで提供します。前者は数値だけを変え、後の3つは新しいページに元のページを載せるか描き直す点が違います。
CropBoxで切った部分は消えていない
基本モードはCropBoxだけを小さくします。ビューアーはページ内容をCropBoxの境界で切って表示しますが、内容ストリームの文字や画像は1バイトも変わりません。だからトリミングは元に戻せます。CropBoxを削除するかMediaBoxと同じに戻すエディターを使えば、切った部分がそのまま現れ、ファイルサイズもほとんど減りません。
この性質は諸刃の剣です。スキャン周囲の黒い帯を隠すには画質劣化がなく便利ですが、表の横にあるマイナンバーや署名を「切って」送ると、受け取った人が復元できます。テキストのコピーや検索に切った範囲の文字が引っかかるビューアーもあります。隠すべき情報なら、トリミングではなく墨消しツールで内容そのものを消してください。
何度か切ると、そのたびに「いま見えている範囲」(既存のCropBoxとMediaBoxが重なる部分)を基準に小さくします。すでに四辺10mm切ったファイルにさらに5mm入れると、原本基準では15mm削られます。回転したページ(/Rotate 90など)は、画面に見える向きのまま上下左右を入力すれば、ツールが回転前の座標に変換して適用します。
MediaBox・TrimBox・BleedBoxを選ぶとき
MediaBoxモードは用紙そのものを小さくします。仕様上ほかの枠はMediaBoxからはみ出してはいけないので、ツールは既存のCropBox・TrimBox・BleedBox・ArtBoxを新しいMediaBoxの内側に切りそろえます。CropBoxを無視してMediaBoxしか見ない古いソフトやプリンタードライバー向けですが、これも内容を消すわけではありません。
TrimBoxとBleedBoxは画面上の見た目を変えません。印刷所はTrimBoxを断裁線、BleedBoxを塗り足しを含む出力範囲として読みます。たとえば日本の名刺(仕上がり91×55mm)を天地左右3mmの塗り足し付きで入稿するなら、MediaBoxを97×61mmにし、TrimBoxを内側の91×55mmに置きます。ビューアーで変化が見えなくても正常で、確認はPDF情報ツールのページ境界レポートでできます。
A4に合わせる:レター文書をA4用紙に
米国から届いたレター(8.5×11インチ、612×792pt)の文書をA4で印刷すると、プリンターが下を切ったり余白が左右非対称になったりします。A4に合わせるモードは新しいA4ページを作り、元のページを縦横比を保ったまま中央に載せます。元のページは画像にならず、フォームXObjectという再利用できる描画単位として入るので、文字は選択でき、ベクターも鮮明なままです。
リンクやコメントなどの注釈は新しい座標に移され、文書内リンクは新しいページを指すようにつなぎ直されます。ただし入力フォームのフィールドはこの方式では移せないため外れ、結果画面にいくつ外れたかが表示されます。フォームを残したいなら先に平坦化してください。ページごとに倍率と位置を調整できるので、スキャン時に斜めに置かれて片側が欠けたページだけ動かすこともできます。
余白の追加ととじ代
余白追加モードは、各ページの見えているサイズに四辺の余白を足した新しいページを作り、元の内容を中央に置きます。内容を縮小せず紙を大きくする方式なので、余白のないPDFに書き込み欄を作ったり、プリンターが印刷できない端を避けたりするときに使います。とじ代を入れると奇数ページは左、偶数ページは右に足されます。両面印刷して左とじにする冊子で、どの紙もとじる側が広くなる配置です。
塗り足しの追加:塗り足しなしのPDFを入稿するとき
背景色が紙の端まである デザインは、断裁のずれに備えて仕上がり線の外側に3mmほど余分に描いておく必要があります(塗り足し)。日本の印刷所では3mmが一般的な指定です。塗り足しなしのまま断裁すると端に白い線が出ることがあります。このモードはBleedBoxがないかMediaBoxと同じページを150dpiまたは300dpi(選択)で描画し、端のピクセルを鏡のように外側へ反転させて指定幅(既定3mm)だけ広げ、元のサイズをTrimBoxに設定します。
代償ははっきりしています。処理したページはJPEG画像1枚になり文字は選択できず、既定の150dpiは小さな文字の印刷には足りないことがあります。300dpiを選ぶと文字は鮮明になりますが、ファイルは約4倍になります。すでに塗り足しが設定されたページには手を付けずベクターのまま残します。元のデザインデータがあるなら、そちらで塗り足しを付けて書き出し直すのが最善で、このモードは元データがないときの次善策です。
例
スキャンの縁を切る
- 入力
A4(210×297mm)スキャン、四辺15mm、CropBox- 結果
見える大きさ180×267mm、MediaBoxは210×297mmのまま
15mm=42.52pt。幅595.28−85.04=510.24pt(180mm)、高さ841.89−85.04=756.85pt(267mm)。ファイルサイズはほぼ同じです。
レターをA4に合わせる
- 入力
612×792ptのレター文書、A4縦、余白0mm- 結果
倍率約97.3%、上下にそれぞれ約12.6mmの余白
幅595.28/612≈0.973、高さ841.89/792≈1.063の小さいほうを使います。高さは792×0.973≈770.4ptで、残る71.5ptを上下に分けて約35.7pt(12.6mm)ずつです。
とじ代
- 入力
A4文書、余白10mm、とじ代5mm- 結果
新ページ235×317mm、奇数ページは左余白15mm、偶数ページは右余白15mm
幅210+10×2+5=235mm、高さ297+10×2=317mm。元の内容の大きさは変わりません。
塗り足し3mm
- 入力
塗り足しのないA4ポスター1ページ、塗り足し3mm- 結果
MediaBox 216×303mm、TrimBox 210×297mm、150dpiの画像ページ
150dpiでA4は約1240×1754px、3mmは約18pxです。端の18pxを反転して付け足します。300dpiなら約2480×3508px、塗り足しは約35pxです。
使い方
- PDFを読み込み、タブ(トリミング、余白追加、A4に合わせる、塗り足し)を選びます。
- トリミングはプレビューで残す範囲をドラッグするか上下左右をmmで入力し、変更する枠とページ範囲を決めます。
- プレビューで結果を確認してPDFをダウンロードします。
よくある質問
トリミングしたのにファイルサイズが同じです。
CropBoxだけを変えているためです。切った範囲の内容はファイルに残っています。
切った部分を元に戻せますか?
CropBoxを削除するかMediaBoxと同じに戻すエディターを使えば再び見えます。このツールは内側にしか切らないので、戻すなら原本を使うのが簡単です。
個人情報を切って送っても大丈夫ですか?
いいえ。復元できます。墨消しツールを使ってください。
A4に合わせたら入力欄が消えました。
フォームフィールドは新しい用紙に載せる方式では移せず外れます。先にフォームを平坦化してから合わせてください。
TrimBoxを設定したのに画面が変わりません。
正常です。TrimBoxとBleedBoxは印刷所が読む情報で、ビューアーはCropBoxを基準に表示します。
出典
- ISO 32000-1:2008 (PDF 1.7), Adobe 공개본 — 7.7.3.3 Page Objects, 14.11.2 Page Boundaries
- PDF Association — ISO 32000-2 (PDF 2.0)
- pdf-lib — PDFPage.setCropBox / embedPage
基準日: