山火事シミュレーターベータ

原因別シナリオで放水と防火帯を使い山火事から村を守る

このツールはまだ安定化中のベータ版です。結果に違和感があればお知らせください。

雨を伴わず雷だけが鳴る夏の乾燥した雷雨。森の奥のあちこちに時間差で雷が落ちます。

目標 家を3軒以上失わないこと。

火元の位置
点滅する印が火元です。開始前に防火帯を切り開いたり、水をまいておけます。準備ができたら ▶ 開始。

シミュレーションを読み込み中…

自然のサイクル (ドロッセル・シュワーブル)
森 / 火

山火事シミュレーターについて

このシミュレーションは 96 × 64 マスの地図上のセル・オートマトンです。各マスには草・針葉樹・広葉樹・家といった燃料か、水・道路・防火帯のような燃えない地形があります。燃えているマスは毎世代、周囲8マスに確率的に火を移し、その確率は 0.36 ×(隣の燃料の燃えやすさ)×(乾燥度)×(斜めなら0.55)×(風の倍率)です。燃えやすさは草0.95、針葉樹0.8、家0.55、広葉樹0.45、燃える期間は草1世代、針葉樹3世代、広葉樹4世代、家6世代です。

前半の4つのシナリオ(乾いた雷雨、電線火花、野焼き、焚き火)は実際の山火事の原因をもとにした防御ゲームで、「自然のサイクル」は統計物理のドロッセル–シュヴァーブル山火事模型を移した実験モードです。どちらも同じ延焼規則を使いますが、問いが違います。前半は「どう止めるか」、後半は「誰も止めなければ火の大きさはどんな分布になるか」です。

風と湿度を数字で見る

乾燥度は 1.45 − 1.3 × 湿度で、湿度0.2なら1.19、0.5なら0.80です。風の倍率は 1 + 1.6 × 風の強さ × cosθ(θ は延焼方向と風向きのなす角)で、0より下にはなりません。そのため風の強さが 1/1.6 = 0.625 を超えると、風上へまっすぐ向かう延焼確率はちょうど0になります。強風の火事が細長い舌のように伸びるのはこのためです。

風の強さが0.35を超えると飛び火が加わります。燃えているマス1つが1世代に火の粉を飛ばす確率は 0.05 ×(強さ − 0.35)× 乾燥度 × 3 で、火の粉は風下へ2マスから最大 2 + 7 × 強さ マスまで飛びます。数マス幅の防火帯が強風の日に破られる理由です。実際の大規模火災でも、火の粉が道路や川を越えて新しい火をつける現象がよく報告されています。

水を浴びたマスはしばらく湿っていて、燃え移る確率が通常の3%に下がります。完全に止めるわけではないので、火の先頭よりも、家の周りや防火帯の向こう側など火の粉が落ちそうな場所を先に濡らすほうが効果的です。

ドロッセル–シュヴァーブル模型(1992)

バーバラ・ドロッセルとフランツ・シュヴァーブルが1992年に提案した元の規則は4つで、同時に適用されます。燃えていたマスは空き地になる。隣が燃えている木は燃える。隣が燃えていなくても木は確率 f で燃える(落雷)。空き地には確率 p で木が生える。落雷が成長よりずっとまれで(f ≪ p)、火が広がる速さが木の成長よりずっと速いと、森は密になっては大火で崩れることを繰り返し、火の大きさがべき乗則に従う自己組織化臨界状態になるとされました。1987年のバク・タン・ヴィーゼンフェルドの砂山と同じ系統の模型です。

このツールの「自然のサイクル」はこの枠組みに沿っていますが、違いもあります。火は隣へ確率的に移り、8近傍を使い、木の種類に応じて3〜4世代燃えます。木は空き地にも灰の上にも生えます。論文の指数を再現する道具というより、成長と落雷の比が森の姿をどう変えるかを目で見る道具として使うのが適切です。

パーコレーション閾値:森がどれだけ密なら火が渡るか

正方格子の各マスに確率 q で木をランダムに植え、火は上下左右にだけ、必ず隣の木へ燃え移るとします。q が約0.5927より小さければ火は有限の塊の中で消え、大きければ端から端までつながる塊ができて火が森を横断します。これがサイト・パーコレーション閾値で、ニューマンとジフ(2000)は0.59274621と求めました。斜めの隣も含めると閾値は約0.407に下がります。

このツールでは隣の木が必ず燃えるわけではありません。湿度0.35・無風で、針葉樹が隣の針葉樹に火を移す確率は1世代 0.36 × 0.8 × 0.995 ≈ 0.287、3世代燃えるので一度でも移る確率は 1 − (1 − 0.287)³ ≈ 0.64 です。斜めは約0.40です。火が森を渡れるかは木の密度だけでなく、この伝達確率をかけた「実効的なつながり」で決まります。この規則での正確な閾値は分かっていないので、「自然のサイクル」で「最初の木の密度」スライダー(既定45%)で森の密度を決め、成長率を0にして中央に火種を置き、密度ごとに火が反対側まで届くか試してみてください。密度を変えると、その密度で地図が新しく作られます。

防御シナリオで効く考え方

草は最も燃えやすい一方、1世代で燃え尽きます。野焼きのシナリオで草地の火が速く短く通り過ぎるのはそのためで、危ないのは草地の端から森へ移る瞬間です。広葉樹は燃えにくく、針葉樹は燃えやすく長く燃えるので、針葉樹の群落に沿って火が先行する様子が見られます。

道路と水は燃料0のマスなので防火帯と同じ働きをします。ただし火の粉はマスを飛び越えるので、風の弱い日は1〜2マスの防火帯で足りても、強風の日には集落側の森を広く空ける防御空間が必要です。

例

強風の電線火花シナリオの延焼確率

入力
風の強さ0.75、湿度0.18、針葉樹 → 隣の針葉樹(上下左右)
結果
乾燥度1.216。風下0.77、横0.35、風上0(1世代あたり)

0.36 × 0.8 × 1.216 = 0.350 に風の倍率(風下2.2、横1、風上 max(0, 1 − 1.2) = 0)をかけた値です。飛び火は燃えているマス1つあたり 0.05 × 0.4 × 1.216 × 3 ≈ 0.073、距離は2〜7.25マス。火の先頭を正面から止めにくい理由が数字で分かります。

自然のサイクル初期値の時間スケール

入力
p = 1%、f = 10^−4.3 ≈ 0.00005、6,144マス中に木3,000本と仮定
結果
1世代あたり新しい木約31本、落雷約0.15回(約7世代に1回)

p/f ≈ 200、つまり落雷1回までに200本以上の木が育ちます。f を 10^−5 側へ下げると、森がより密になるまで火が起きず、起きたときにはずっと大きく広がります。

使い方

  1. 火災の原因(シナリオ)を選び、点滅する出火地点を確認する。
  2. 開始前に防火帯を切るか、水をまいておく。
  3. ▶ 開始後、ヘリ・消防車・消防飛行機で火を抑える。
  4. 「自然のサイクル」で p と f を変え、森と火のグラフを観察する。

主な用語

飛び火
火の粉が風に乗って飛び、落ちた先で新しい火をつける現象。
パーコレーション閾値
ランダムに埋めた格子に端から端までつながる塊が初めてできる充填率。正方格子の上下左右のつながりでは約0.5927。
ドロッセル–シュヴァーブル模型
木の成長確率 p と落雷確率 f だけで森と火の循環を表すセル・オートマトン(1992)。
防御空間
建物の周りの燃料を取り除いたり濡らしたりして、火が建物に届かないようにした区域。

よくある質問

なぜ針葉樹林は広葉樹林より燃えやすいのですか?

このツールでは針葉樹の燃えやすさを0.8、広葉樹を0.45としています。実際にも針葉樹は葉や樹脂に燃えやすい成分が多いとされ、林業当局が広葉樹を帯状に植えて防火林とすることもあります。ツールの係数は傾向を示す値で、測定値ではありません。

防火帯を作ったのに火が越えました。

風の強さが0.35を超えると火の粉が最大 2 + 7 × 強さ マス飛びます。強さ0.75なら7マス以上です。防火帯の向こう側を先に濡らすか、幅を広げてください。

「自然のサイクル」は元のドロッセル–シュヴァーブル模型と同じですか?

枠組みは同じですが、延焼が確率的で、8近傍で、数世代燃える点が違います。火の大きさの指数など定量的な結果を論文と比べる用途には向きません。

森の密度がどれくらいで火が森全体に広がりますか?

上下左右に必ず燃え移る理想的な模型なら約59.3%が境目です。このツールでは伝達が確率的なのでそれより高い密度が必要で、風と湿度によっても変わります。

出典

基準日:

プライバシーとデータの扱い