波の干渉スタジオベータ

波源ごとに色分けして干渉・回折・屈折を実験

このツールはまだ安定化中のベータ版です。結果に違和感があればお知らせください。

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波源(○)はドラッグで動かせます。壁や浅い水を描いて反射・屈折を試してみましょう。「強度」表示にすると干渉縞の明暗がはっきり見えます。「無限の空間」では波は端の外へ抜けていき、端に触れるように描いた壁は画面の外へ無限に続きます。波源や壁はどこにでも置け、格子点の近くで少し止まるとその点にぴたりと吸着します。スナップをオンにすると壁や浅い水は直線で描けます。「波源ごとの色」をオンにすると、どの波源の波がどこで混ざりぶつかるかが色で見えます。浅い水の中の波長が4マスより短いと格子で表せないため、波長を短くすると浅い水の速さの比の下限がそのぶん上がります。

波の干渉スタジオについて

リップルタンク(水波投影装置)は、浅い水槽に振動子を浮かべ、下から光を当てて波の山と谷を明暗の縞として映す理科室の定番装置です。このツールはその水槽を320×200マスの格子に置き換え、2次元の波動方程式をマスごとに差分法で解いています。1ステップで深い水の波は0.5マス進み(クーラン数0.5)、波源は指定した波長に合う周期で半径2マスの円板を上下させます。

壁のマスでは変位を0に固定するので波は反射し、浅瀬のマスでは速さが「浅瀬の速さ」倍に落ちます。複数の波源はチャンネルを分けて別々に計算し、最後に足し合わせます。波動方程式は線形なので結果は一度に解いた場合と同じで、どの波がどの波源から来たかを色で見分けられます。

ホイヘンスの原理を格子で見る

ホイヘンスは1690年の『光についての論考』で、波面上のすべての点が二次的な素元波を出し、その包絡面が次の瞬間の波面になると説明しました。差分格子はこの考えをほぼそのまま実装したものです。各マスの次の値は隣接4マスの現在値だけで決まるので、波は隣から隣へ手渡されることでしか広がれません。

「単スリット」プリセットのすき間は21マス、既定の波長は16マスです。すき間が波長と同程度なので、通り抜けた波はほぼ半円状に広がります。壁を描き直してすき間を4〜5マスに狭めると、すき間自体が点波源のように振る舞い、背後はきれいな半円の縞になります。逆に80マス以上に広げると、中央はまっすぐ進み、端だけで波が回り込みます。回折の度合いがすき間と波長の比で決まることを確かめられます。

浅瀬で波が曲がるしくみ

実際の水槽では、水深hが波長より十分小さいとき、波の速さはv = √(gh)で水深だけで決まります。水槽の底にガラス板を敷いて浅くすると、その上で波は遅くなり、振動数は変わらないので波長が短くなります。このツールの浅瀬マスはこの結果だけを取り入れたもので、既定値0.5では波長16マスが8マスになります。

境界に斜めに入った波はスネルの法則 sinθ₂/sinθ₁ = v₂/v₁ に従って法線側に曲がります。速さの比0.5、入射角30°ならsinθ₂ = 0.25で屈折角は約14.5°です。逆に浅瀬から深い側へ出るときは、入射角がarcsin 0.5 = 30°を超えると抜け出せず全反射します。「屈折」プリセットの波源を浅瀬側の境界近くに置くと観察できます。

「レンズ」プリセットは中央が厚い凸レンズ形の浅瀬です。中央を通る部分ほど長く遅い水を進むので、波面がへこんで一点に集まります。ガラスのレンズと同じしくみです。「鏡」プリセットは、放物線の壁の焦点に置いた波源の波が反射後に平面波となって出ていく様子を見せます。パラボラアンテナやヘッドライトと同じ配置です。

本物の水槽との違い:分散

実際の水面波は波長によって速さが変わります(分散)。十分深い水では長い波ほど速く、波長が2cmを下回ると表面張力が復元力の主役になって、今度は短い波ほど速くなります。二つの効果がつり合う波長約1.7cm付近で位相速度は最小の約23cm/sです。理科室のさざ波はこの大きさに近いので、振動数を変えると速さも少し変わります。

このツールの方程式には物理的な分散はありません。代わりに格子そのものが生む小さな数値分散があります。クーラン数0.5、波長16マスでは、格子軸方向の波は理論値より約0.5%遅く、対角方向は約0.2%遅れます。既定の浅瀬(速さ0.5、波長8マス)では軸方向の遅れが約2.4%になります。一画面を横切る間は目立ちません。ただし波長6マスに浅瀬の速さ0.2をそのまま使うと浅瀬内の波長は1.2マスとなり、格子で表せる限界を下回って、屈折ではなく計算上のノイズが出ます。そこでツールは、浅瀬内の波長が4マスを下回らないよう浅瀬の速さの下限を4 ÷ 波長に引き上げます(波長6マスなら0.67、16マスなら0.25、20マス以上ならスライダーの下限0.2)。4マスでも軸方向の数値的な遅れは数%以上あるので、浅瀬内の波長が短いほど屈折角は理論値から少しずつずれます。

強度表示で見えるもの

変位表示はある瞬間の水面の高さ、強度表示は各マスのu²を時定数約100ステップで移動平均した値の平方根です。2波源の干渉で、常に静かな節線は変位表示ではちらつく縞に紛れますが、強度表示では動かない暗い曲線として見えます。波源を動かした直後は、平均が新しい状態に追いつくまで数百ステップかかります。

例

2波源の節線の本数

入力
「2波源」プリセット:波源間隔32マス、波長16マス、位相差0
結果
経路差は0〜32マスなので、経路差8マスと24マスの位置に節線ができる → 軸の両側に2本ずつ、計4本の双曲線

節線の条件は経路差 = (m + ½)λ。経路差は間隔32マスを超えないのでm = 0, 1だけが該当します。波長を10マスにすると経路差5, 15, 25マスが可能になり、片側3本、計6本に増えます。

浅瀬の境界での屈折角

入力
浅瀬の速さ0.5、入射角45°
結果
sinθ₂ = 0.707 × 0.5 = 0.354 → 屈折角約20.7°、浅瀬内の波長は8マス

速さを0.8にするとsinθ₂ = 0.566、約34.4°で曲がり方は小さくなります。比が1に近づくほど境界は見えなくなります。

使い方

  1. プリセットを選ぶか、空の水槽に波源・壁・浅瀬を置く。
  2. 波長、波源間の位相差、浅瀬の速さを調整する。
  3. 変位と強度の表示を切り替えて、干渉縞と節線を読む。
  4. 端を開放空間と反射壁で切り替え、水槽の壁からの反射の影響を比べる。

よくある質問

本物の水槽で浅いところの波が遅くなるのはなぜ?

波長より浅い水では底まで水全体が動く必要があり、速さが√(gh)で水深に縛られます。水深を1/4にすると速さは1/2です。

位相差スライダーは何に使う?

i番目の波源の位相をi×位相差にします。波源を一列に並べて位相差をつけると合成波面が傾き、フェーズドアレイレーダーや超音波プローブがビームの向きを変える原理を再現できます。

反射壁モードで模様が乱れるのは?

水槽の壁から戻った波が元の波と干渉するためです。実際の水槽は縁に傾斜した吸収材を置きます。開放空間モードでは見えない48マスの余白で波を徐々に減衰させています。

音や光にも当てはまりますか?

スカラー波動方程式なので、干渉・回折・屈折の幾何は共通です。光の偏光や水面波の分散のような媒質固有の性質は含まれていません。

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出典

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