ガリレオの大砲ベータ
ボールを積んで落とし、一番上を何倍も高く打ち上げる
このツールはまだ安定化中のベータ版です。結果に違和感があればお知らせください。
科学館でよく見せる実験です。バスケットボールの上にテニスボールをのせ、1 m の高さから一緒に落とします。テニスボール単独なら 56 cm ほど跳ねますが、一緒だと? 左の薄いボールは「単独で落とした」テニスボールです。
目標 予想を選んでから落として確かめる
スローモーション ×1/40
まず予想してみましょう。1 m から落としたテニスボールはどこまで上がるでしょう?
ボールを選ぶ — 押すと一番上に積まれます
積んだボール(上 → 下)
- 一番上のボールの最高点
- –
- 単独で落としたら
- –
- 理論予測
空気抵抗なし(真空) - –
エネルギーはどこへ?
落とす前の全エネルギーを 100 としたときの各ボールの取り分(運動 + 位置エネルギー)実験条件
これまでの挑戦
なぜ一番上のボールはあんなに高く跳ねるの?
床に着く直前、すべてのボールは同じ速さ v で落ちています。一番下のボールが先に床で跳ね返って上向きに v になり、すぐ上のボールはまだ下向きに v で落ちてきます。二つが正面衝突するのです。
下のボールがずっと重ければ、動く壁のように働きます。下のボールに乗って見ると、上のボールは 2v で近づき 2v で跳ね返り、地面から見れば 2v + v = 3v。跳ねる高さは速さの二乗に比例するので、最大 3² = 9 倍の高さまで上がれます。さらに積むと 3v → 7v → 15v と増えていきます。
エネルギーが生まれたわけではありません。下のボールがいつもよりずっと低く跳ねたりほぼ止まったりして、自分のエネルギーを上へ渡したのです。完全弾性の二つのボールで下が上のちょうど 3 倍重いと、下のボールはその場で止まり、全エネルギーが上のボールに移ります。
本物のボールはつぶれるときに熱や音でエネルギーを失い(反発係数)、くっついたボールは衝突が重なり合い、軽いボールは空気抵抗ですぐ遅くなります。そのため実際の高さは理論より低くなります。崩れ落ちる星の中心核が跳ね返って外層を吹き飛ばす超新星爆発も、同じ原理でよく説明されます。
v上 = (3m下 − m上) / (m下 + m上) · vh ∝ v² → 3v なら 9 倍m下 = 3 m上 → 下は停止、上は 2v
処理中…
0.0
停止していません。計算が終わると結果が表示されます。
ガリレオの大砲について
バスケットボールの上にテニスボールを載せて一緒に落とすと、テニスボールは単独で落としたときの何倍も高く跳ね上がる。このツールはその実験を1次元で計算する。ボールは縦一列に積まれてまっすぐ落ち、床とボール、ボールどうしが触れる瞬間は約2ミリ秒の間に縮んで戻るばねとダンパーとして扱う。ばねの強さと減衰は、組ごとに決めた反発係数がぴったり出るように合わせてある。
質量と直径は規格値に近い(バスケットボール620 g、テニスボール58 g、卓球ボール2.7 gなど)。反発係数は硬い床に落としたときの「跳ね返った高さ÷落とした高さ」の平方根から取った概算で、ボールの状態や床によって実際とは違う。
3vと9倍という理想化
2つのボールが床の直前で速さvになっているとする。下のボールが先に床で跳ね、vで上がり始める。その瞬間、上のボールはまだvで落ちてくる。下のボールが十分重ければ、下のボールから見て上のボールは2vで近づき、弾性衝突の後2vで跳ね返る。地面から見ると下のボールの速さvが加わって3vになる。跳ね上がる高さは速さの2乗に比例するので9倍だ。
質量比が有限で完全弾性なら、上のボールの速さは v ×(3m下 − m上)/(m下 + m上)になる。バスケットボールとテニスボールは質量比が約10.7なので2.66vで、3vにはかなり届かない。質量比がちょうど3なら下のボールはその場で止まり、上のボールが2vで上がって高さは4倍になる。エネルギーを残らず渡す条件である。
ボールを増やすと理想的な上限は1、3、7、15v(2ⁿ − 1)と伸びる。3個なら速さ7倍、高さ49倍だ。Harter(1971)はボールにペンを刺して落とす実験でこの効果を測り、接触が時間的に重なる場合まで含めた詳しいモデルと比べている。
実際には低くなる3つの理由
- 反発係数:テニスボール(0.75)とバスケットボール(0.84)は、つぶれて戻るたびにエネルギーを失う。バスケットボール+テニスボールを1 mから落とすと、理論パネル(空気抵抗なし)は8.94 m/s(落下速度の2.02倍)、テニスボールの下端で最高点4.31 mを示す。「完全弾性」をオンにすると11.77 m/s、7.30 mになる。
- 空気抵抗:軽いボールほど大きく効く。このツールは抗力係数0.47、空気密度1.2 kg/m³で計算する。この値だと卓球ボールの終端速度は約8.7 m/sしかなく、18 m/sで飛び出した卓球ボールはすぐに減速する。
- 衝突の順序:理論は「床と下のボール」「下のボールと上のボール」の衝突が1回ずつ順番に起きると仮定する。ボールがくっついていると接触が重なって起き、結果が理論からずれる。「ボールの間隔」を広げると衝突が順番どおりになり、理論に近づく。
ボールの選び方
上にいくほど、すぐ下のボールよりずっと軽くする。バスケットボール‐テニスボール‐卓球ボールは1 mから理論上4.23倍(最高点18.2 m)だが、バスケットボール‐テニスボール‐スーパーボールは2.84倍にとどまる。スーパーボール(25 g)がテニスボール(58 g)の半分近くあり、2回目の衝突で速さがあまり増えないためだ。
順番を逆にして軽いボールを下に置くと増幅は消える。テニスボールの上にバスケットボールを載せると、テニスボールは重いボールを押し返せず、上のボールの理論速度は負(下向きに動き続ける)になる。
例
バスケットボール+テニスボール、1 m
- 入力
反発係数0.84/0.75、空気抵抗なし(理論パネル)- 結果
上のボール8.94 m/s(2.02倍)、最高点約4.31 m。テニスボール単独なら約0.56 m
単独の7倍以上の高さ。空気抵抗をオンにしたシミュレーションはこれより少し低く出る。
3階の窓(6.9〜8.1 m)に届ける
- 入力
バスケットボール‐テニスボール‐卓球ボール、落とす高さ0.4 m- 結果
理論速度11.84 m/s、最高点約7.45 m
理論上は窓の範囲内。ただし卓球ボールは空気抵抗を強く受けるので、画面上では高さを少し上げる必要があるかもしれない。
質量比3の特別な場合
- 入力
完全弾性、m下 = 3 m上、速さvで衝突- 結果
下のボール0、上のボール2v、高さ4倍
重心速度は(3v − v)/4 = v/2。弾性衝突は重心に対する相対速度を反転させるので、下のボールは v/2 − v/2 = 0、上のボールは v/2 + 3v/2 = 2v になる。
使い方
- シナリオ(バスケットボール+テニスボール、3階の窓、記録挑戦、自由実験)を選ぶ。
- トレイからボールを選んで積み、落とす高さを決める。
- 必要ならボールの間隔・空気抵抗・完全弾性を変えてから落とす。
- 一番上のボールの最高点を理論予測と比べる。
よくある質問
エネルギー保存に反しない?
反しない。上のボールが高く上がる代わりに、下のボールはふだんよりずっと低く跳ねるか、ほとんど止まる。下のボールのエネルギーが上に移っただけだ。
本当に9倍まで上がる?
完全弾性で上のボールの質量がほぼ0の場合の上限だ。実際のボールは変形でエネルギーを失い、軽いボールは空気抵抗も大きく受けるので、それより低い。
超新星爆発と関係があるというのは?
重い中心部が跳ね返って軽い外層を押し出す様子が似ているという、よく使われるたとえだ。このツールが計算するのはボールの力学だけである。
家で試しても大丈夫?
上のボールは思ったより速く、斜めに飛ぶことがある。顔の真上では行わず、壊れる物のない場所でやる。
出典
- W. G. Harter, Velocity Amplification in Collision Experiments Involving Superballs, Am. J. Phys. 39, 656 (1971)
- Harter (1971) full text, University of Arkansas
基準日: